旅行から帰ってきて、しばらく経った頃にふと訪れる瞬間がある。
食器棚を開けたとき。誰かに「沖縄行ったんだ、いいなあ」と言われたとき。ただの平日の夜、なんとなく手持ち無沙汰なとき。あの日差しと、潮の匂いと、ゆったり流れていた時間が、急に恋しくなる。
でも、また沖縄に行くのは簡単じゃない。飛行機代もかかるし、休みも取らないといけない。仕事や家庭の事情で、そう頻繁には動けない人の方が、実はほとんどだと思う。
そんなときにおすすめしたいのが、「やちむん」だ。沖縄の焼き物で、素朴な厚みと、大胆な絵付けが特徴のうつわ。実は東京・関東でも、現地さながらの空気を持つお店がいくつもある。今日のご飯を、そのお茶を、いつもと違ううつわで味わうだけで、暮らしの中に小さな沖縄がやってくる。
東京で「やちむん」に出会えるお店
現地の壺屋や読谷で買うのが一番だとわかっていても、まずは近くで実物を手に取ってみたい。そんな人向けに、都内でやちむんをしっかり扱っているお店をいくつか紹介する。
銀座わしたショップ本店(有楽町)
沖縄県のアンテナショップ。食品コーナーが充実している分見落とされがちだが、工芸品コーナーには育陶苑をはじめとするやちむんが並ぶ。琉球ガラスと一緒に見て回れるのも楽しい。
住所:東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館1階
アクセス:JR「有楽町」駅より徒歩1分
諸国民芸たくみ(新橋・銀座)
全国の工芸品を扱う老舗。北窯のうつわが時々並ぶ。厚みのある素朴な器は、普段使いに向いている。
住所:東京都中央区銀座8-4-2
アクセス:JR「新橋」駅より徒歩5分
Vada/ヴァダアンティークス(吉祥寺)
ヨーロッパのアンティーク家具と並んで、やちむんも豊富に扱う地下の隠れ家的なお店。都内ではあまり見かけない作家の作品にも出会える。
住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-30-6 B1
アクセス:JR・京王井の頭線「吉祥寺」駅より徒歩4分
ニライカナイ(自由が丘)
「移住雑貨」をコンセプトにしたお店で、雑誌で「自由が丘の沖縄」と紹介されたこともあるほどやちむんが充実。手描きの魚柄や角皿など、日常に取り入れやすいラインナップ。
住所:東京都目黒区自由が丘3-6-10
アクセス:東急東横線・大井町線「自由が丘」駅より徒歩7分
3本のしっぽ(荻窪)
店主自身が「都内に専門店がなくて苦労した」経験からオープンした、やちむん専門店。3ヶ月に一度現地で買い付けたうつわが並び、1点ずつ表情が違う手描きの魅力をじっくり選べる。
住所:東京都杉並区天沼3-28-8
アクセス:JR「荻窪」駅北口より徒歩3分
沖縄チャンプルゥ雑貨 喜器(東十条)
店主が過ごした1970年代の沖縄がコンセプトの、レトロな雰囲気のお店。琉球ガラスやヴィンテージ雑貨と一緒に、都内では珍しい作家のやちむんが手に入る。
住所:東京都北区中十条2-7-12 丸栄ビル1F
アクセス:JR京浜東北線「東十条」駅より徒歩3分
※お店の営業状況は変わることがあるので、訪れる前に公式サイトやSNSで最新情報を確認してほしい。
お店に行く時間がない人は、オンラインという選択肢も
平日は仕事、休日も予定が詰まっている。そんな人には、オンラインでやちむんを探すのも十分にありな選択肢だ。楽天市場やAmazonでも「やちむん」で検索すると、窯元や専門店が出品している商品が見つかる。手に取って選べない分、レビューを読み込んで、サイズ感や色味をよく確認してから選ぶのがコツ。
ふるさと納税で、うつわごと沖縄を応援する
個人的に一番おすすめしたいのが、この方法だ。やちむんの産地である読谷村や那覇市には、ふるさと納税の返礼品としてやちむんを用意している自治体がいくつもある。
例えば読谷村では、やちむんの里の窯元が手がけた唐草文様のお皿セットや、そばマカイと呼ばれる普段使いのお碗などが返礼品として選べる。実際に受け取った人のレビューには「箱を開けてびっくり、想像の100倍素敵な食器が届いた」という声もあるほどで、単なる節税対策ではなく、ちゃんと「うつわを選ぶ楽しみ」がある。
寄付先の自治体を選ぶこと自体が、間接的に沖縄を応援することにもなる。旅行にはなかなか行けなくても、うつわを通じて沖縄と繋がっていられる、という感覚は、地味だけど気に入っている。
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うつわ一つで、暮らしに沖縄を
沖縄旅行の余韻は、時間が経つほど薄れていく。でも、毎日使ううつわが一つ変わるだけで、その感覚は不思議と長持ちする。朝のコーヒーを、夜のごはんを、いつものやちむんで。
また沖縄に行ける日まで、うつわの中に少しだけ沖縄を持っておくのも悪くない。
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